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[本]青葉繁れる


井上ひさし著


先日「3月10日の東京大空襲を語り継ぐ」という会で、井上ひさしさんの講演を始めて聞きました。
当然お名前は知っていますが、井上さんの戯曲も見ていないし(見たい気はあれど縁が無かった?)、本は「吉里吉里人」を旦那の本棚で見かけて読み始めて読みきれなかった・・・過去だけ。あ、「父と暮せば」の原作が井上さんでしたっけ。
でも講演はとても印象に残るもので(いやぁ、上手だったし内容も濃かったのですよ)、その結果都知事選に頭を悩ませているというおまけ付きです。それで小説にもう一度とっついてみようか・・・というわけで旦那と父との共通のお薦めは「青葉繁れる」と「モッキンポット師の後始末」
読みはじめから目を剥きましたが、結局読み終わってから「笑ったこと笑ったこと!」と、なみだ目でまだ笑っていました。
もっともチョロ松のことでは笑えませんが・・・全く教育者は持った弟子次第?で天国と地獄だわ・・・。
こどもも出会った先生次第で天国か地獄だけれど・・・
チョロ松の偉大と悲哀が滑稽に結びついて、それが妙に私には後ろめたくて・・・悲劇だわ。
でもこのチョロ松という渾名の校長先生も軽石という渾名の担任も抜け松という名の教頭も裏門校長も、あえて言えば二女高の狐先生も?生徒以上の曲者・兵で稔を始めとする素直だけどもしょうも無い5人組の生徒にひけを取らない見事さでした・・・というか、いいね。
この頃も先生受難の世相でしたが、今ではこういう個性派は生息不能な社会になっておりますちゃ。
少々どころか大いに淋しいと思ってはいけないのでしょうか。私の小学1年の担任は鞭を振り回しておりましたっけが、鞭鳴りの音に恐怖を抱きましたが、気が付いてみれば誰も叩かれた者は無く、姿勢の良い生徒が50人!って、それってやっぱりあの先生も生息不可能?
生徒も先生も生きにくいことでは同じかなぁ。
「渾名の付け方って時代があるんだなぁ・・・」とかその他、時代を回顧しながら笑って唸って感嘆していました。
井上さんの巧みさにです。
言葉がこうも軽やかに次々次々へぎへぎにへぎほしはじかみ・・・舞い踊る感じでそこにもってきての仙台弁ですから駄目押しもしっかり!ちょっと石坂洋次郎を思い出したり・・・でも楽しいことその比ではないのですが・・・時代をね。
戦後間もなく、まだ進駐軍がいるご時世のあの明るさはなんなんでしょう?石坂さんを読んでいた少女時代、既に謎でした。
戦争という恐怖を潜り抜けた民の疲弊だけではないバイタリティーに感嘆していたのでした。若いって素晴らしい?
今の高校生でもこの小説楽しめるのかなぁ・・・と思って、楽しめるよね、と思って、でも男の子を二人育てたけれど、男の子って全然わかっていなかったかも・・・って思って、判っていなくて良かったと笑いました。
高校生の息子に立ち向かうのに読んでおくべきだったかもね・・・と思って、いや時代がねと又思って。でもこのセンスって不滅だろうし・・・絶対に!
井上さんの持っている滑稽とか風刺とか悪戯心とかはやっぱり人の心の中で不滅のものだろうからなぁ・・・うちの男の子がこの本を読んで笑えたら言うこと無いけれどなぁ・・・!
これだけ楽しかったからにはしょうがねぇべ、さぁ、「モッキンポット師」に進むっちゃ

          

           

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