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[映画]ある愛の風景


監督  スザンネ・ビア
出演  ウルリク・トムセン、コニー・ニールセン、ニコライ・リーコス、ベント・マイディング、ソビョーリ・ホーフェルツ


確かに「ある愛」のある家族の肖像といった映画でした。
なるほどね、原題は知りませんが、間違いなくミカエルの愛の背景を描きこんだ映画でした。愛のための究極の選択、そしてその顛末?でも顛末は見る人それぞれにとって違ってくるかもしれません。
何があったのか「知りたい!」と言う気持ちは女ほど強いでしょうが、知った後はその女人の資質の問題かもしれません。
さて、あなたならどう受け止めますか?受け入れられますか?でしょうか。
唯この問題は普通の人にはまず起こりえない選択です。特に日本人の場合には。「職業軍人には?」ということなれば日本の場合自衛隊員が当てはまるでしょうか?
それで思い出しました。知人の場合です。お嬢さんが防衛大学に合格しました。「卒業して任官しないと非難されるから二年生で慶応に編入させるつもり。」と言っていましたが、実際行き始めると「凄いのよ、下着から着るもの一切支給、給料も、ボーナスも、食料缶詰類もダンボールで支給。これ辞める手は無いわね。(今も防衛大ってこうですかね?)」で、結局卒業と同時に?結婚退職という道へ。こんな職業軍人?生み出している国の兵士だったら、生き延びるためだったら、こんなに悩まないんじゃないか?なんてふっと思ってしまいましたが、これは余談の感想。
さて、こんな問題が起きるもう一つの場合は「海難。一つの浮きに二人取り付いたら?」でしょうか。私が思いつくのは。
「奪った方が生き延びる」が「可」ですと聞いた事があります。
ところがこの映画ではこれが残酷に突きつけられ、その後のミカエルの罪悪感・精神の荒廃苦闘煩悶地獄を生み出すことになります。
勿論彼の判断は「彼の愛する者、何より美しい妻、の元へ帰りたい」に尽きたわけですが、そうまでして帰った妻や子には彼の死が「受け入れられていた」と言う事実がつきつけられて、それがより彼を追い詰めていくことになったわけですが。最後の場面です。妻は優しく「何があったの?」と、問いかけます。彼は彼女の胸で泣けるだけ泣いたら何かが融けるのでしょうか?そして解けて流れた物は彼女の胸にしみこんでどんな変化を遂げるのでしょう?私にはここから先にも物語があるような気がしてしまいました。女にとっての物語が。女にも突きつけられるものがあってしかるべきでしょう。
何があったのか、色々な事情が想像されるわけではないじゃないですか。あの夫がここまで変わってしまうのだから?それをびっくり箱を開ける様な安易な感覚では聞き出せないでしょう?知りたがるって事はそれ相応の責任を背負い込むことですよ・・・本当にいいの?とサラに聞きたくなったのは、サラが余りに女性らしかったからです。美しすぎたからです。ねぇ、美しい女には選択の余地が広いんですよ。女だから分かります?あの弟が本気のやる気を出せるようになったのは何故です?ミカエルは泣いた後、心を解いた後、生きていけるのでしょうか?鍵を握るのはサラなんですよね?女で生きることは怖い!と、思わされました。ミカエルのために、兵士である人のために、本当につらい悲しい映画でした。今も何処かで死んでいくかもしれない兵士を思いました。
この映画、リメイクされるって?ハリウッドの見知った顔の俳優で見るのはちょっとどうかな?まずいんじゃないかな。ジェイクは好きだけど・・・映画が死ぬような気がするんだけれど?

          

           

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本作品は、これまでに 2005年サンダンス映画祭(観客賞)受賞作品 2005年デンマーク・アカデミー賞 (最優秀主演女優賞)受賞作品 2005年ロベルト賞... [詳しくはこちら]

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本作品は、これまでに 2005年サンダンス映画祭(観客賞)受賞作品 2005年デンマーク・アカデミー賞 (最優秀主演女優賞)受賞作品 2005年ロベルト賞... [詳しくはこちら]

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