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[本]ゲド戦記(続き)


アーシュラ・K・ル・グィン著


また、ゲド戦記です。やっと3巻目が来ました。
2・1・5・外伝・4・3巻の順で図書館から回ってきました。
こんな順でこの本を読む人っていそうもありませんが・・・?いや、図書館で借りた人なら?こういうことになったはずです?
さて、この感想録一体どうしたものだろう?今更?
映画「楽しみました。」と、書きました。確かに!でも、余りに分からないところがあったので本を全部読む気になったのですが・・・なんでこの物語を映画化する気になったんでしょうね?
この物語が好きだったら、あの映画はありえないだろうし・・・という気がしてなりません。本を読んだから言うのですが。あの映画を作りたかったのなら、ゲド戦記という題を外して良心的に?するなら「ゲド戦記に想を得た」オリジナル脚本ということで「違う題名」でという方法はなかったものですかね?それなら受け入れ十分OK!ですよ。
原作と脚本は違う作品だということは承知ですが、「レバンネンの冒険」みたいな感じで括ったほうが良かったのになぁという気がします。むしろその方が換骨奪胎とも言われないでしょうし。
なぜなら、読み終わった感想はこれはゲドの戦記というより、ゲドの歩んだ路にちりばめられた冒険による成長と生死の倫理観風人生の指南書という印象が強かったからです。(ゲドから学ぶといったほうがいいかな。)
ゲドも良き師を得て不安な少年から冒険の青年期を経て大魔法使いとなり老いて一個の人間に成熟していく過程で、自分も師として、夫として、父としてアレンやテナーやテルーの成長に関わっていく物語として私は読みました。
だって、冒険そのものより会話でつづられる沢山の言葉たちの含蓄が凄いんですもの。それなのにロマンスも満喫できるんですから。
好きなとこを書き抜いて永久保存しちゃおうかと思いましたが、それより「買いだ!」と思いました。
前にも書いたかと思いますが田舎の邸宅?(クスッ)暮らしを止めてこのちんまりしたマンション暮らしを選んだ時点で(何百冊もの本を泣く泣く処分したんですよ)本は図書館と決めた私です。買うのは最小限度と決めています。
しかもこの歳!今更成長でもないでしょう?
それでもこの作者が描く世界のバランスは本当に魅力的です。
ゲドの言葉は私の残り少ない人生を温めてくれるかもしれないと思ったんですよね。だからいつでも読み直せるように。
この本は子供たちへのワクワク冒険話であると共に楽しい人生の哲学入門・倫理事始?にもなりそうですけれど、私への「人生捨てたものではないわね!」書?にも「まだまだ学ばねばならないことありそう!」書?にもなりそうですよ。読んでいると魔法のある国で楽しんだり安らいだりしながらも、「そうよね、今のこのフレーズ、心に抱いていたいわねぇ・・・」というところに立ち止まってしまって、とても穏やかな気持ちになりました。
生きていくうえでの暗い側面が底に流れながら、上空には明るい光が漂っていて、その中空で魔法が働いて様々な色合いの智恵でつづられていくのが人の一生なんだと・・・。
朝が来ないのじゃないかと思ったことはありませんでしたか?
でも来ましたよ。確かに!・・・そんなこと思い出したりして。でも、何時かは来ない朝も・・・!
ゲドの世界の「王」って「竜」って何を象徴するのでしょう・・・ユックリ考えてみるかな?と、思った時に「やっぱりこの本は買いだ!」です。何度読んでも泉がありそうです。1巻からちゃんと読み通さなくてはね。
書き抜いた幾つものフレーズここに書き抜きたいのは山々ですけれど、今回は止めて起きましょう。どれだけ長くなることか・・・!
私って地図がある物語に弱いのかな?中央部に赤や黒や褐色の人がいて東のはずれに白い人がいるのもなんとなく良くない?
それになんてったって、竜が出てくるのですよ!竜が!
?もうじきクリスマス?買うのちょっと待ってみようかな???うふぅ。

          

           

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コメント

            

はじめまして

>ゲドの世界の「王」って「竜」って何を象徴するのでしょう

私もそれを考えながら読み進めました。

少し理解不足のところもありますが、この作品は深い哲学ですね。しばらくして、機会があったらもう一度読み返してみたいと思います。

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