[映画]グッド・シェパード
監督 ロバート・デ・ニーロ
出演 マット・ディモン、アンジェリーナ・ジェリー、ジョン・タトゥーロ、マイケル・ガンボン、アレック・ボールドウィン、ウィリアム・ハート、ロバート・デ・ニーロ、エディ・レッドメイン、タミー・ブランチャード、オレグ・ステファン、リチャード・ヘイズ、マルティナ・ゲディック
ヤレヤレ、映画に飢えていました。忙しくて・・・ここのところ。やっと見られる久しぶりの映画、この作品に間に合いました。ロングランですね。「ヴィーナス」はもう手遅れだったのに。
それにしても見ごたえのある配役陣がそろいましたよねぇ・・・好き嫌いはともかく。それがこの作品をより一層重厚にしていたことは確かです。贅沢なあり方ですが正攻法なのかな?
マット・ディモンは「グッド・ウィル・ハンティング」から見続けていますが不思議に妙に魅力があります。本当なら埋もれてしかるべきあの「オーシャンズ」においてすら彼はちゃんと自己を可愛く際立たせていますものね。つまり私は好きです!
主人公がこれだけ語らないこんな長い映画ってそうは無いでしょうね?それなのにちゃんと感じさせて伝えてしまう(語られないだけに?こっちの都合のいい解釈にすぎないのかもしれないんだけれど)ところが魅力でした。つまり?伝わっていると思わせてくれたところが魅力的な映画でした。
主人公がしゃべり過ぎないと想像の余地がありまくり?思う様自分にひきつけることが出来ます。
これは映画の大事な資質の一つです・・・と、思います。
キューバ事件の記憶はまだ当時中学生から高校生くらいだった私にもあります。アレン長官も覚えています。
彼らの裏側にこんな物語があったのか!という観点だけからでも興味深い映画ではあったのですが、それ以上に映画の中の夫婦・父子は時代を写して、当時を思い出させる色合いがリアルでした。
冷戦下の米ソが、あの頃のニュースが色鮮やかに甦ってくるようでした。組織が必要とされ、それが構成されていく時、その足元には多くの踏み潰され足場となったものがあるに違いありません。
その時代時代が要求する生贄でしょうか。
そういう意味では普遍的な物語に仕上がって色あせない作品だと思って感心して見てきました。
あのジュニアを演じた俳優さん。あの立場であのように親を共に愛し憧れて(心を砕いて?)育ったならこの様に繊細で華奢に壊れ物のように育つだろうなぁ・・・まさしく!という感じで父子のドラマを際立たせてくれたようです。
「善き人のソナタ」は今年見たばかりの映画なのに、あの映画の中のマルティナさんとこの映画の中のマルティナさんを分かつ何かが女優という資質なんだなぁ・・・!
そしてボーンのマットとこの映画のマットを分かつものも・・・!
だから映画が好きなんだ。