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[本]容疑者Xの献身

東野圭吾著

この方の本も読んだことはありませんでしたが、図書館でも本屋でもよくお名前と作品はお見かけしていましたから知ってはいました。
ただ、ぱっと見て読みたいと思わせる題が無かったということでしょう。ところが少し前になりますが行きつけの美容院で担当のお兄さんが臨時休暇で、違うアーティスト(というらしいです)のお兄さんが私の頭をしてくれたのですが、その会話がこんなでした。
「いつも何をしているんですか?」
「仕事を聞いているの?それとも時間つぶしの趣味のこと?」(この時間に来るおばさんは暇にきまってるでしょ)
「暇な時何してるんですか。」
「そうね、まぁ読書かしら。」(なんでもいいんだけどね)
「えーボクも読書なんです。」(えー!ってほどのものでもないでしょ)
「あら、あなたみたいな若い人には珍しいんじゃない?」
「いやー僕よく読んでますよ。」
「どんな本が好きなの?」で、彼の名前が出たのです。
「その作家私が読んでも面白いかなぁ・・・」
「あ、面白いと思いますよ。絶対お薦めですよ。反対にボクにお薦めの本てあります?最近読んで面白かったの?」
「そうね、三崎亜紀さんの・・・『となり街戦争』と『失われた町』なんか良かったわね。」
「へぇボクその人知りませんねぇ。どんなカンジですか?」
「どんな感じって難しいわねぇ・・・不思議な魅力?」
とまぁ、そこそこ話ははずんだんですが・・・(ちなみにこのお兄さん、二度はゴメンなさい、私の髪が・・・ァ・・・ぁ)・・・でした。
で、東野さん検索。その結果他の本は直ぐ借りられたのですが、この本だけ数十人待ちという状況だったのです。だから来たらその時が運命?ということにして予約しておいたので、今週東野さん初体験となったわけです。
それで?うーん、そうですねぇ~、悪くないですっていうか、「献身」部分というか、情部分が変わっています。
ある意味感動的でちょっとウルウルさせられたというか、今時考えうる最高の献身を考え出したなぁと思えました。が、実際こんな恋情ありえるのでしょうか?ストーカー的執着性愛着思い込み恋?淋しかった潤いの無かった石神さんの選択した生き方は確かに見ようによっては壮絶なのに、何気なく理知的になされた選択と行動力にやっぱり?泣けないはずはありません。
それに最後のがっしりした駄目押し!
究極無償の愛と真の友情(3人の大学同窓生による攻防読み応え有りでしょう)と答えねばならない誠意・・・負い目を負って生きる心の負担は美里さんが既に見せましたしね。
さて、推理の部分です。死体が発見されて指紋のついた自転車、宿の髪・・・の状況で、当然あのブルーハウスの描写が生きてきますから「ああ、この死体は彼だ!」と解かってしまいますよね。それが一寸早すぎたのでその点で興味は「富樫の死体はどこから出てきてアリバイ工作がどう刑事を嵌めるのか」になってしまったのです。だから私も「思い込みによる盲点」に落ちたわけです・・・という点でちょっと忌々しい!って言うかしてやられたわけで・・・面白かった!です。
しかしなぁ・・・「数学は難しい!」ってことだけがわかればいい?
やっぱりなぁ・・・「博士の愛した数式」でも数学を愛せる人が羨ましく思えたけれど・・・この作品でもそう思えましたね、ここもちょっと数学苦手の自分の学生時代が忌々しい!ったら。
湯川先生が出てくる作品が他にもあるらしいです。探してみますか。

          

           

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