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[本]ラビリンス

ケイト・モス著


面白い本を読みました。
「ダ・ヴィンチ・コード」からの流れで見つけた本です。
色々な意味で楽しめました。
ミステリー!ロマンス!ファンタジー!冒険!伝説!フィクション?それにフランス南部飛び回りましたしね。
おまけに私自身に関しては丁度NHKで「カルカソンヌ」放映したのを見たところでしたから、あの映像を一生懸命思い出しながら・・・シテやコンタル城・・・行きたいなぁ!になりました。
ラングドック地方のちょっとしたイメージ観光をした気分です。
ベジエ、ナルボンヌ、ミルボア、ロス・セレス、モンセギュール、フォア、アルビ、おまけのトゥルーズと憧れのシャルトル!
欲張りなサービス満点の小説でした。
欲を言えば13世紀と2005年現在が代わる代わるに飛ぶ構成が
「上手過ぎるの?」で、特に最初の方はいらいらしちゃいました。
丁度アリスの運命に夢中になって、そこから目を離したくないところで切り替わってしまうんですもの。え、何で?ここで?
そして今度はアレースが心配で・・・「なんでそんなことしているのよ!」って危惧しているところで・・・やっぱり!切り替わっちゃうので。
おまけに題材がうずうずするんです。こどもの頃親しんだアーサー王の物語とかアイバンホーとかロビン・フッドだってリチャード獅子親王だって、十字軍がらみでしょう?私にとっては義経や楠正成・正行や赤穂浪士・・・なんかと同列?わくわくものですが・・・大人になって知れば知るほど十字軍は・・・厄介です。
ここではキリスト教カタリ派と聖杯伝説とアルビジョア十字軍が柱で輪廻が味付けで・・・って、輪廻って仏教だけかと思っていたら、キリスト教の一派であるカタリ派にもある思想なんですねぇ!
っていうか、カタリ派ってちょっとこの本で接しただけですけれど、
輪廻思想に近いものがあったり、男女人種に鷹揚なところ、宗派に鷹揚なところ仏教ですよ・・・?って感じです。
物語では聖杯伝説だったり聖遺物物語だったり十字軍だったり・・・結構楽しんでいるくせに、心の底では一神教って厄介だわって思っています。神はそれぞれに任せて全て受け入れて上げられればこの世のどれほどの血が節約できたか?って思っています。皆同じ神なのに・・・マァ、そんな事をいっていると冒険ロマン小説の半分以上は楽しめなくなっちゃいますけれどね。
そう、アレースはアリスに、オリアーヌはマリー・セシールに、夫はフィルに・・・多分輪廻?と想像しながら読んでいたのですけれど、さて?オドリック・バイヤールは・・・?というのが私の謎でした。
サージェかな?それともハリフがそのまま長生きしているのかな?
ハリフはそれまでだってどうやら何百年も生きていたらしいじゃない?オドリックはどうやら輪廻じゃなくて、そのまま生き残っていたみたいだし・・・この謎にはお終いまで引きずられました。
遺跡発掘から宗教異端審問制度まで幅広い知識を薄く吸収しましたが、十三世紀の法王インノケンティウス三世を筆頭にキリストの名の下で略奪戦争をした歴史というのを法王庁はどう扱っているのか知りたいと思いましたね。もっともそんな事を知ったら、法王庁の歴史を紐解いたら、法王を何人もつるし上げねばなりません。
ラング・ド・オック(オック語を話す国)?をオイル語を話すフランス人が統合していった血塗られた過程も興味を惹かれます。
ラビリンスってそもそもそういうものだったのか・・・ってことも。(ファンタジー映画の「ラビリンス」ちょっと思い出しました)
そういえばロマンチック街道を旅行した時、中世のまま残る幾つもの街は司教領でした。しかも彼ら司教の残した要塞・城は過酷な税金に反抗する領民から憎まれる自分を守るためのものでしたって勉強したのでした。
「ヨーロッパの中世ってホント(キリスト教のせいで!)闇ですね?」と、思いながらその中につづられる冒険にいつもながらわくわくしちゃった自分ってなんでしょ?
何時か来る?白馬の騎士に(私は王子より)弱いんだねぇ・・・!

          

           

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