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[本]佐賀のがばいばあちゃん

島田洋七著

B&Bの洋七さんの「佐賀のがばいばあちゃん」って本図書館に予約したら250人待ちだってさ・・・って、友人に言ったらあら「がいばばあちゃんよ」と訂正された。「え?そうなの?」と怪訝な私も正直自信は無かった。だって「がばい」なんて、聞いたことが無い言葉だったもの。で、家に帰って確認して安堵して、ついでに意味は・・・?「がばい=すごい」でした。
そういえば洋七さんよく漫才でおばあちゃんの話をしていたなぁ?
そして凄いってよく笑ったものだったけれど、あの逞しくも明るい頓狂なおばあちゃんの話を読むのは楽しかろうと思ったのだ。
でもあの人は広島の人だと思っていたけれど、何で佐賀なの?
それがようやく本が来て解けた。
ただただ圧倒されてしまった!がばいばあちゃんには本当に脱帽!
凄い!がばい!最高!って。
巻末の「おさのおばあちゃんの語録」で又確認してがばい!!!
洋七さんは私よりほんの少々若い。佐賀と東京と住むところに違いは有ってもあの頃の生活が読んでいるうちに彷彿としてきて、懐かしさに浸り、思い出されたあの頃に身を任せて、切ないような甘いような感傷まで引っ張り出してしまった。
あんなに逞しかったのだろうか、あの頃のあの人々は?東京ではただただ生活、生きることに追われているだけのようだったが?
磁石を引きずりながら歩いていたおもらいさんもいたし、タバコの吸殻を突き刺して集めていた人も居た。くずやおはらいと言って回ってくる人は今では不用品やさんが見向きもしないような物を大事に秤にかけていたっけ。どんな衣類も次々に引き取り手はあって近所の小さな子に回って行くのも見ていたっけ。捨てるものなど無かったのだ。子ども連れのおもらいさんはいっぱいいたし、傷痍軍人もいっぱい居た。東京のあの頃はそんなだった。佐賀のおばあちゃんとの洋七さんの暮らしは工夫に溢れて、不足に追いかけられてはいたけれど、不思議な長閑さが感じられたのはやはりそこが佐賀だったからだろうか?
このおばあちゃんへのオマージュは今読む人に50年前には普通だったものを、そしてその中にあった逞しさを教えてくれる。
ヒョットすると豊かになって人は弱くなったのかもしれない。
洋七さんの素直な明るい逞しさが今一番のヒントになるかも・・・と思えて、でもそれでは補えないくらいこの世は優しさを失ってしまったのかも知れない。
個性的で優しい先生たちは私に小学生時代の先生たちを思い出させてくれた。今だったら問題にされるような先生もいたかもしれないけれど、あの先生たちは皆個性的でそれぞれに私に忘れられない印象を植え付けて去っていった。大好きな大好きだった先生はもういらっしゃらないけれど、あの先生の温かな目と大きな手はきっと一生忘れないんだろうなと思う。
「心の在り方が一番大事さ」という事を洋七さんのおばあさんは思い出させてくれて、このシンプルな思い出草は大事な一冊になった。
今日ちょっとした集まりがあったので「「がばいばあちゃん」の本を読んだところよ・・・」と言ったら、「私TVで見たわよ。」と言った人と「映画で見たわ、読んでないけど・・・」と言った人が居た!
相変わらず情報疎い人間?の私は「えーっ?」と驚いた。
「映画にもTVドラマにもなったの?」「うん、あれは良かったわ!」
と、その二人はハモられました!あーん!
そ、それにですね、がばいばあちゃんのトークショーなるものももうDVDで出ているらしいです、ギョウテンです。

          

           

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