[映画]華麗なる恋の舞台で
監督 イシュトヴァン・サボー
出演 アネット・ベニング、ジェレミー・アイアンズ、マイケル・ガンボン、ブルース・グリーンウッド、ショーン・エヴァンス、ミリアム・マーゴリーズ、トム・スターリッジ
この映画の何が嬉しいって、私くらいの年齢のおばさんたちが、くすくす笑いながら見て、最後にやったぁ!と心の中で凱歌を上げられるところだろう。
若い人が見るとどうかな?反対の反応があるのじゃないかしら。
一面まさしく見事ないびり!だからね。
でも、舞台から降りていく刻を知りかけた者にとっては最後の快哉に違いない。
せめてこのくらいの反撃はしたいものだ。
ただやはり「面白打て、やがて悲しき・・・」の気配は濃厚。
数年後には、いや数十年後にはこの若い女優が見事にこの出来事を踏み台にして育って、同じ事をしている可能性があるもの。
しかしこうしたたかに年を取りたいものだなぁ!
「ただでは譲り渡さない!」ってね。
アネット・ベニングさんはハリソン・フォードさんとの「心の旅」から美しい人だと思っていたけれど、年が綺麗に降り積もったのだろう、実に表情が多彩で生き生きしていた。
倦怠や疲れもにじませて悲しみ落ち込む表情は年相応!なのに一転輝くばかりに美しく、明るい若さをきらめかせて貫禄まである。
喰えない夫や、批判的な息子や、忠実なお付きのおばさんや、イメージの師匠(面白い設定ですよ)の快哉を受け取ったときの満足顔の輝いたことといったら!裏切った若い恋人のいたたまれなさ、若い女優の悔しさも快い凱歌の添え物!
ここにいたって、したたかな舞台監督の夫が若い女優に書かせた契約書も大いに私たち見るものをニャッとさせてくれて、全く生き馬の目を抜く世界をトップに立って生き抜いてきた人々のしたたかさが凄い!と、思わせられる。
意地悪という毒は人生の調味料。程の良い使い方は人生を豊かにさせます?大人の使うそれは若い人へのはなむけ・・・なんてね?
いやいやいや・・・それでもうたかたですよねぇ・・・そこはかとなく来るべき哀愁。老いの坂は速い。最後の徒花。
徒花も咲かない自分につい気が付いちゃいましたよ・・・すると?トホホ人生は悲哀一色です。
だからって訳でもないですけれど、付き人の女性の気持ち判るような気がします。
色々な役で多彩に見ていますけれど、ここではジェレミー・アイアンズが妙に健康的な大人にみえましたねぇ・・・コミカルでシニカルでしたたかで、理性的で、こんな役もっとやってって思いました。でもこの年になると、どうせ見るなら美しいものの方がありがたいですかね。そして、私的にはですねぇ・・・若いツバメ役のショーン・エヴァンスの明るいハンサムよりも眼に翳りのある息子役のトム・スターリッジの方を買いたいなぁ・・・と言う気がしますが。
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