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[本]東京奇譚集


村上春樹著


新聞で「カフカ賞」とかを取ったとかで、受賞式後のインタヴュー記事を読んだ。次はアカデミー賞とか?
そういえば以前にもアカデミー賞の候補?みたいな話題なかったかしら?作品の多さからみても、翻訳されている作品も多いらしいし?何より次男の書棚にいっぱい「村上春樹」の名があったし・・・?
何時だったか「面白い?」と聞いたら、ひょいと1冊「読み終わったとこだよ、読んでみたら?」
題も忘れたけど、薄い文庫本だったと思うが・・・これが面白くなくて「面白かったの?ほんとに。」
「最初に読ませる本間違えたかもなぁ・・・」
それっきりでしたが、ニュースのせいか?再挑戦。
賞に弱いからではありません・・・念の為。
題名から自分のアンテナに引っかかるものを・・・と、探した結果がこの本。
題で選んで結果・・・大正解!
私向きじゃん?(失敬!)
短編集です。以下の5作収録。
「偶然の旅人」
「ハナレイ・ベイ」
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
「日々移動する腎臓のかたちをした石」
「品川猿」
第一作目、読みながら途中もう「全然いいよ。」と息子の様に言ってみました、自分に。
偶然の程のよい楽しみ方のセンス!
人生の味わいが自分の上でちょっと濃くなった瞬間!
二作目のサチさん好きになりそう・・・だけどきっと好きにならせてくれないって感触。好かれたくないでしょうね。年も取らないでズーットそのまま二つの時の間で、二つの場所の間で、振り子のように行ったり来たりしながら、それでも蹲らないで立っていそうよね、この女の心。
三作目、何かを考えそうになりながら何も考えないまま読み終わったという感じなんですけれど、「時間の流れに身を任せ、時間を効用もなく磨耗させた。」この「私」さんも好きです。
私の時間も効用なく磨耗していったのですが、「していった。」のと「させた。」のにある夢幻の無限の距離が絶望的です。
四作目、は、いい物語でした。手のひらにそっと大事に置いておきたいような、優しく扱ってあげたいような、空中に浮揚している世界の物語のようでした。私もこの物語をそっくり「受容」出来そうです。その言葉を使ってもいいなら?
五作目は楽しく読みました。「見ざる・聞かざる・話さざる」の3猿に縛られた女の人の解放話として。
その繰り広げ方の面白いこと。解決の仕方の意表を突くこと。名前かぁ・・・名前ねぇ・・・。
また、気が向いて、心にひっかかる題を見つけたら、村上さんの本読むかもしれないなぁ・・・。題「名」は大事。
題名といえば、カフカ賞おとりになったのですが、村上さんは「カフカ」という名を付けた作品があるんですね?「カフカ」訴えてくるものがあるかなぁ?うーん。

          

           

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