ロード・オブ・ザ・リング・王の帰還(スペシャル・エクステンデッド・エディション)
監督 ピーター・ジャクソン
出演 イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、リブ・タイラー、ショーン・アスティン、ケイト・ブランシェット、オーランド・ブルーム、カール・アーバン、デヴィッド・ウェンハム、ミランダ・オットー、ヒューゴ・ウィーヴィング
2回目の「王の帰還」とうとう見終わってしまいました。
3巻通して新しい映画館で見れたことは私にとっても特筆すべき一大お楽しみでした。
特にこの「王の帰還」は映画館の椅子ごと音響に揺れる感じがスペクタクルをよりスペクタクルにしてくれました。
ワクワクドキドキが停まらない4時間でした!
何しろ戦闘シーンが多かったし、滅びの山の噴火に、ナズグルの泣き声・・・体中が音と映像に圧倒されているようでした。
ミナス・ティリスが美しかったですねぇ。モン・サン・ミッシェルのイメージがありますが・・・「あぁ、こういう風に想像して、こういう風に造形したんだなぁ・・・凄いわ!」の、感嘆!感嘆!また感嘆!でした。
こんな風に見せられると、本とイメージが・・・とか、私の大事な物語が・・・とかそんなこと吹っ飛んでしまいます。
この監督にとってもこの作品がどんなに大事で面白くて大好きだったか分かるようです。
最初に見た公開の時より「エクステンデッド」の部分では死者の谷のところがちょっと怖くなくなりました。
骸骨の量が半端じゃないので却ってアラゴルンたちが押し流されてるところで「クスッ」とね。でもあの谷を突っ切って川岸に出た時の風景は妙に絵のようで?好きでしたね。
暗い映像から急に鮮やかな緑の中の海賊船団ですもの!
最初に見た時、アラゴルンと誓約に縛られた死人たちのエピソードがアラゴルン贔屓の私としてはゴンドールやローハンの騎士たちにようく分かるようにもっと念を入れて欲しいなぁ・・・とちょっと思ったので・・・これなら、言うことありません。
いえ、欲を言えば(ほら、あるじゃない?)「王の手は癒しの手」をもうちょっと見せて欲しかったな。
エオウィンを看護した手でファラミアを看護し沢山の人を看護するところをね。
あの部分は古代の王の神聖さとか神話を思わせる叙情的な光景で好きなんです。
フロドとサムのキリス・ウンゴルを越える辛い旅の最後を全うさせるべく、ゴルゴロス高原を突っ切る時間を稼ぐために、アラゴルンたちが命を賭けて黒門のところに終結するところ、二つの行動が一つの目的のためにぴたり重なって・・・本当にいいところ!
本で読むと、つい日にちを数えたくなるのです。本当にあうかな?って。
でも、別れ別れになってから追いかけて走って何日?死者の沼地をさ迷って何日?って、夢中になって読み進むうちにわからなくなってしまうのだけれど。
映画では、合わさっていくのを見ていると、胸がキューンとして、手に汗握って、目はジーンとするのです。
物語ってこうでなくちゃね!
大鷹ヴワイヒアがサムとフロドをつかんで舞い上がる・・・これでいい!もう満足!というところで駄目押しの戴冠式と結婚式!
これ以上ないってほど心が沸き立って、揺さぶられて、ほぉーとして、感動しちゃうので・・・恥ずかしいくらいです。
でも恥ずかしげなくそうさせてくれるこの物語の厚みが大好きです。
男の子にもいい物語なら女の子にもいい物語だわ。
そしてサムを見ていると「全ての人にいい物語だわ!」と、思わずにいられませんよね。
素晴らしい原作があって、素晴らしい映画が出来たと、私は見終わって嬉しくて楽しくて堪りませんでした!
人の名、土地の名、沢山の名を覚えるだけでも楽しかったこの物語は、その中に盛られた友情と冒険とロマンスできっと永遠に読む人、見る人を魅了するだろうなぁと、確信しています。
とにかく帰ってきてから地図を見ながら一晩中物語を追っている私でした。