[映画]狩人と犬 最後の旅
監督 ニコラス・ヴァニエ
出演 ノーマン・ウィンター、アレックス・ヴァン・ビビエ
予告編で何度も雄大な自然の風景を見ていました。
だから疲れたら、きっと見に行きたくなるだろうなぁ・・・という気がしていました。
ご多分に漏れずチラッと見た犬の表情はそれに輪をかけて魅力的だったからです。
だから雨の静かな日に一人静かに出かけて見てきました。
思っていた通りの映画でした。
狩人の日常が美しい大自然の中で淡々と描かれます。
音楽とこの景色をただ見ているだけでも肩の力が抜けていく感じでしたが、実際には非常に厳しい生活が語られていました。
「大自然の中で生きるということ」は「一瞬一瞬が命と向かい合う日常を生きる」ということだということです。
その厳しい日常が犬とのふれあいのある生活、その潤いの御蔭で美しくなっているようでした。
近所で見るハスキー犬は好きではありません。
でもあのカナディアンロッキーの厳冬の中で見るその犬は本当に見事でした。凛として美しくて。
犬も生きるべきところがあるんだなぁ・・・と、思いました。
愛らしさと共に、自然の中で真に必要とされ、よき相棒として共に生きている尊厳までこの犬たちから感じられました。
犬もですが、私の全く想像の付かない厳しさの中で生きているからか、主人公・[himself]を演じたノーマン・ウィンターの顔がそぎ落としたように精悍で魅力的で、つい惚れ惚れと見とれてしまいました。
メタボリック・シンドローム?とは無縁の生活の贅肉を極限までにそぎ落とした男の顔ってこんなにも魅力的なんですね?
でもその彼も、町へ行くとちょっとした息抜きが待っていましたね。
もう一人魅力的に描かれていた彼の「ネブラスカ(でしたっけ?)」のたたずまいも、これまた見事でした。でも彼女にはどんな休みがあるのでしょう?
どんなにか孤独なと思われる日常を淡々と受け入れて楽しんでいるかのように見えました、愛情に溢れて。
孤独にいられるということはそれだけで力なのでしょうか。
それに二人とも犬によく声を掛けていましたね。
人も動物もこうして育てるのだと深く納得しました!
「マイボーイ!グッド・ボーイ」そして名前を何度も呼びかけ、愛撫です。いつくしむ気持ちさえあれば育つのですね。
首の線がほんわりと優しくなった気がして、雨の中帰り道につきました。