[映画]マッチポイント
監督 ウディ・アレン
出演 ジョナサン・リス・マイヤーズ、スカーレット・ヨハンセン、エミリー・モーティマー、マシュー・グード、ブライアン・コックス
この映画は魅力的でした。私にとっては、ロンドンとジョナサンの2大魅力の威力です。
ロンドンが楽しめました。これが一番の収穫!
二番は「俳優を見出す人の眼力」、敬服しちゃいましたよ。
あの目と唇だけのやせこけた少年(「ベッカムに恋して」では)がこんなに陰のある魅力的な目を活用?するうーん、なんと言えばいいのかなぁ・・・古い言葉で「色悪?」を素敵に演じる俳優さんになるのですから。
音楽も上流階級の雰囲気を盛り上げるのにとても効果的だったと思いますが、「耳に残るは君の歌声」の印象が強い曲の多用で、私のイメージが分断されたのが一寸きつかったです。途中でジョニーとクリスティーナ・リッチの顔が唐突に浮かんできてしまうんですもの、参ったなぁ。
前半はジョナサン演じるクリスが欲と色の二股を一目散に追い求めるエネルギーと、スカーレット演じるノラの魅力でどうなるのだろうと息をつめて展開を追っていました。ジョナサン魅力的になったなぁ・・・でしたし、自分の魅力への自信たっぷりのノラの存在が見事だったし。
実際スカーレットにはそれだけの魅力があったので、私はテニスボールが「色」の方に落ちるのかと思っていました。どんな風に?
ところが妻が折角?女の魅力を失っていくという展開なのに、(妻の実家の)家庭生活にはどっぷり縛り付けられるし、当然・・・でしょう?
ところが愛人になってからのノラは男にとっては結婚をせっつくただの口汚い「猛烈手に負えない女」の見本になってしまって・・・このあたりでなんだ!って感じでしょうか。
よくあるパターン、よくありすぎるパターンになってしまって「こりゃー全く、しょうがないねぇ」・・・っと、ノラの死を予感してしまいました。
ノラはせっせと墓穴を掘っていましたよね?
自分の魅力に自信のある「男を翻弄できる徹底的に利巧な悪女」になれる素質満点なのに・・・惜しい!?
これじゃぁよくある男の「結婚したい女・愛人にしたい女」という週刊誌バージョンじゃないのって感じでした。
だからこのあたりで一寸期待が薄れたのですが・・・それで終らないで「いやいや面白かったね!」、になってくれて、早く行って並んだ価値があったとほっとしました。
「運」?
「結局真の悪人は男しかなれないんだ!」・・・と、思いましたね・・・?
彼にとって「罪」は生活の手段に過ぎなかった?
「罰」が控えていても?ボールがあっちに落ちる可能性はいつもあるわけでね。
それに一寸感服!クリスは言葉を知っていましたね。誰にでも的確な言葉を掛け、確実に好意を物にしていました。警察でもね。試合を組み立ててましたよ。
「罪と罰」愛読している頭脳的攻撃的テニスプレイヤーには「罪も罰も運次第」のはずは無いってことでしょうか。
結婚指輪の使い方で上手くドンデン返されちゃって・・・結構濃密に物語を楽しめました。絵ができてましたねぇという感じ!でした。