[映画]レント
監督 クリス・コロンバス
出演 ロザリオ・ドーソン テイ・ディグス ジェシー・L・マーティン イディナ・メンゼル アダム・パスカル
予告編を見て絶対行くぞ!と決めていたのが、ようやく実行できた。
冒頭から首根っこを引っつかまれて引きずり込まれたような感じだ
った。
多分字幕が無くて筋道が分からなくても、音楽の、そうね歌い手の
迫力・声の魅力、そして映像の面白さで夢中になって見られたので
はないかな?
7人の個性的な爆発的な歌唱力が素晴らしい説得力になって、否応
無く彼らの世界に巻き込まれてしまった。
その感じはととても気持ちが良くて、まさにミュージカルを堪能し
た満足感がある。
しかしその一方で、頭の片隅にはアメリカの、ニューヨークの片隅
の暮らしの恐ろしさも息づいていて、それが次第に私の心を蝕んで
くるような重苦しさも受けていた。
麻薬とアルコールに取り巻かれた、エイズに追い討ちをかけられる
暮らし。
でももう最初に眼鏡の彼が言ったじゃない?「こんな暮らしでも親
といるよりまし。」って。
本当にそうなの?
どう見ても(字幕)普通の親からの電話の後にね。
それって結構親としては衝撃的。
もっと強烈だったのは(親として)、モーリーンと弁護士の彼女の結
婚式。女性同士の結婚式に両方の親が「いい相手とめぐり合えて・・・」
って、コメントしていたね。
ああ、そうなんだ!もう、そうなんだ!日本もこうなっていくんだ!
否もうそうなんじゃないだろうか?私が周りでまだ見ていないだけ
で?数字的にはもうかなりの数字が出ているわけで・・・なんて思い
ながら。
少なくとも「ウエストサイド・ストーリー」のNYよりも複雑で闇の増した
NYを目の前に見ているようでした。
それでも夢がある!魂は売り渡さない!
だけど明日は無い!死んでいくんだから!直ぐに?
彼らは若いけれど、老いている。
今日があるだけ!
それでいいはず無いじゃないの!
「こんなにパワーがあるんだから・・・!」と、歌の力に引き込まれて
いたら、映画館の向こうから変な声が「ヒェック!」と聞こえた。
のめりこんでいるのに水を差すなと思ったら、また!また!また!
「なんだ?」と本気で腹がたちかけたら・・・泣き声だと気が付いた。
私の反対側で、声も忍ばず、手放しで泣いている人が居る。
まぁ、確かに、この映画にはそれだけの力がありました。
力を振り絞って今日1日を生きようとしている、美しい夢を物にしようと
している若者が実際居るんだ!ということが変な説得よりもすんなり胸に
落ちました。
何よりも「全曲聴かせたなぁ!」と心は満タンになりました。