[本]シラノ・ド・ベルジュラック
エドモン・ロスタン著
父が「緒方拳がシラノやるそうだ、まだ先だが忘れずにチケット取ってくれないか。」と電話してきた。
「あら白野弁十郎?やるの?」
父の中での島田正吾との師弟対決らしい。
緒方拳とシラノが私の中ではどうも結びつかない。
醜い鼻でもシラノは人格の気品が大きくて、なんとなく大きなふっくらとした老成した人を思い浮かばせる。
本当はそんな年じゃなかったはずだが、島田さんのせいかな?
「白野弁十郎」は「シラノ・ド・ベルジュラック」の翻案物で、私は島田正吾さんの「白野弁十郎」を見ていない。
ただ覚えている島田さんの容貌が「シラノに填まっている!」という気がするのも確かだ
久しぶりに聞く「シラノ・ド・ベルジュラック」に懐かしさがこみ上げた。
随分昔に読んだ本だ。
父の愛読書で父の本棚にあったものを読んだ。
「乙女チック」という言葉が浮かび上がる。もう死語かな?
作家の名前もロクサーヌの名前も直ぐ思い出したが、あの若者の名が思い出せない。
頭をぽんぽん叩いているうちに転がり出たのが「これはこのガスコンの軽騎兵(騎兵隊だったけ?)・・・」という科白。
ガスコンといえばダルタニャンと頭の中は八つ当たり?する。
う~ん~と考え込むこと暫し「クリスチャンだ!確かそうだ。」
超男前のクリスチャンの為に恋文を書いてあげ、口移しに教え込んだ恋の科白を囁かせ自分の恋をひた隠しに隠し通したシラノ。
そのシラノが愛し続けたロクサーヌの膝の上であの手紙を囁きながら死んでいく場面で、子どもながらも「ロマンチックさに震えた!」んだってことも思い出した?
夕暮れの暗闇迫る中で見えない手紙を読み上げるシラノにロクサーヌが真実に気が付くところ。
え?そうだったっけか?
死んだのだっけ?
「雲の上団五郎一座」のせいで、笑いすぎてどうもあやふやになってしまったらしい・・・罪だ!ん?団十郎だったっけか?
これももうあやふやだ。
シラノに容貌の点で引けを取らない私が慰められもした戯曲だ。
でもやはり恋では負けがこみそうだと察しが付いたのもこの本のせいだ!
きっと図書館にこの本は眠っていることだろうから、これを書いたら図書館にアクセスして予約しようっと。
そして久しぶりに乙女チックなうるおいのある心を取り戻そう!っと。